こんな困難ちゃん


困難ちゃんは生きるのが困難な女の子。あんまり困ったことに遭遇するのでたましいが傷つかないように、たましいを自分から切り離す、という術を身につけました。たましいを切り離すと、自分に起きたどんな困難なことでも他人事のように受け入れることが出来るのです。だからたましいの抜けた困難ちゃんは感情が無く、表情というものもありません。何があっても平気のへーな顔をしています。しかしあんまりひんぱんにたましいを切り離していたもんですから、とうとうたましいがどっかに飛んでいってしまいました。たましいだって傷つくのは嫌なのでふわふわ気ままに漂っていたほうがいいのです。たましいが抜けてから困難ちゃんは傷つくこともなくなり、生きるのも楽になったかのように思えましたが、それと同時にうれしいと感じることも、楽しいと感じることもなくなりました。そして、たましいの抜けた困難ちゃんの元に死神さんが現れて、「アンタ、死んでるのと同じだよ」と言いました。
困難ちゃんは生きるために、離れたたましいを探す旅に出ることにしました。困難ちゃんを哀れに思った死神さんが一年の猶予を与えてくれたのです。お供には困難ちゃんのことを大好きなまゆげ犬もいます。(笑えるかと思って困難ちゃんがまゆげを描いた犬。笑えなかった)犬は鼻がいいので困難ちゃんのたましいを見つけるのにきっと大きく役に立つことでしょう。
果たして困難ちゃんは自分のたましいを見つけることが出来るのでしょうか。