線のこと
まんがを読んでいて、このひとの描く線はなんてきれいなんだろう!って思うことがあります。最近読んで「線」に見とれたひとたち。
- 人間の横顔とか体とか、このラインが描きたいんだっていうのが伝わってくる線。
- 作者: 谷川史子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/07/14
- メディア: コミック
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- 太くておおらかでシンプルな線。
- 作者: 小玉ユキ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/08/24
- メディア: コミック
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- ラフで力強く流れるような線。
- 作者: 入江亜季
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/06/25
- メディア: コミック
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10代のころ、まんがを読んでいて子供心にわあーって思ったのは鳥山明の「Dr.スランプ」で、ジャンプにおまけでカードがついていたのをしつこくながめてた。アラレちゃんやミドリさんの髪の毛がミュシャの描くイラストみたいに黒く縁取られているのもカッコよくてチラシの裏にまねして描いてました。そのうちだんだん江口寿史の扉絵もデザイン的になっていって、大きいドットのスクリーントーンの貼り方とか、カッコいい!って思ってたなあ。アンディウォーホールとか全然知らなかったし。(だからギャグで使われててもCMのパロディ的なおもしろさしか感じてなくて)
インクにペンで描かれた強弱のある線よりシンプルでデザイン的な均一な線がそのころカッコよく見えて仕方なかったのね。だからサンデーで上條淳士の絵を見たときはもうほんとに、なんてカッコいいんだろ!なんでこんなに細くてきれいな線が描けるんだろ!ってしびれまくっちゃったわ。高いロットリングを無理して買って、使いこなせなくて、そのうちひからびさせちゃって、ってことを何度かして、バカバカ!って思いました。今、ボールペンでもすごーく細くてきれいな線がひけるのが出ていて、しかも200円とかで買えてヤんなっちゃうな・・・。
でもでもそういう均一な線がだんだんつまんない線に見えてきたのも、あれはなんだったんだろ。飽きちゃったのかねぇ。新しく見えたものって、あるとき急にださく見えちゃうんだもんねぇ。ひどいよね。
ベジェ曲線とかひけないけど、紙にマジックでキューって均一な線で描くっていうのはいっぱいやりました。途中で線を途切れさせるときれいじゃないから一気に、このラインっていうのをひくんだよね。少しでもずれるとやり直し。趣味で作っていた同人誌で何枚も書き損じを作ったな。ここじゃないってとこに線があると気持ち悪くて耐えられないの。
今パソコンで絵を描くようになって、わたしはペインターの古いのを使ってるんだけど、線に関してはあんまし気に入ってない。「ペン&インク」なんていうのもあるけど、さっぱり思うような強弱がつけられなくてストレスがたまちゃって、そんであきらめて「鉛筆」で線をひっぱってるけど、ときどき、ださい線!ってイラっときちゃう。紙に描いてたころは好きな線がひける画材を買ってはためしってやって、これはこれで手間だったけど、わかりやすかった。パソコンで絵を描くのは便利だけど機能をちゃんと使いこなせてないなーってしょっちゅう思う。でもパソコンに折れて妥協して、この線でも、もういいわって描いてる。
根性、なくなったよね。